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ナフサ不足でミツカンの納豆が値上げ、いくら高くなるのか?他社はどうなる?

2026年5月3日

スーパーの納豆売り場

食卓の強力な味方である「納豆」に、再び激震が走っています。

業界大手のミツカンが、2026年6月から納豆全商品の値上げと一部商品の販売休止を発表しました。

今回の値上げのキーワードは「ナフサ不足」。なぜ石油製品の原料不足が納豆の価格を直撃するのか、そして「おかめ納豆」など他社の動向はどうなるのか。家計に直結する最新情報を整理して解説します。


ナフサ不足でミツカンの納豆が値上げ、いつから?

ミツカンは2026年5月1日、中東情勢の緊迫化に伴うコスト増を理由に、納豆製品の価格改定を発表しました。

  • 改定時期: 2026年6月1日(月)出荷分より。
  • 値上げ幅: 参考小売価格(税別)で約6%〜20%の引き上げ。
  • 対象商品: 「金のつぶ」シリーズを含む納豆全19品目。
  • 具体例: 人気の「金のつぶ たれたっぷり!たまご醤油たれ」などは、参考小売価格(税別)で218円から261円への上昇が見込まれます。
  • 販売休止商品: 容器資材の調達困難により「くめ納豆 北海道納豆ミニ3」などの一部商品が一時販売休止となります。
  • 値上げの主因: 中東情勢の悪化による「ナフサ(粗製ガソリン)」の高騰です。納豆の容器(発泡スチロール)や包装フィルムの原料であるナフサの価格が跳ね上がり、企業努力で吸収できる範囲を超えたとされています。

「たまご醤油たれ(3パック)」などは、参考小売価格が218円→261円(税抜)へと引き上げられます。

参考小売価格と実売価格の剥離

納豆のような日配品(毎日届く食品)は、メーカーが設定する参考小売価格は高く設定し、そこから卸値(出荷価格)を大きく引くのが商習慣となっています。

218円(税抜)の商品であれば、実際のスーパーへの卸値(原価)は70円〜90円程度に設定されていることが多く、100円で売っても店舗側にわずかな利益が出る設計になっています。

今までスーパーでは実売価格100円前後で取り扱いすることが多かった製品ですが、この値上げにより「一段高い棚」へ押し上げられることが予想されます。


実は2025年にもあった納豆の値上げラッシュ

納豆の値上げは今回が初めてではありません。2025年にも、原材料や物流コストの上昇を背景とした「第1波」ともいえる値上げラッシュがありました。

  • 業界最大手の動向: 2025年10月には、業界シェア1位のタカノフーズ(おかめ納豆)が全商品の10%以上の値上げに踏み切りました。
  • 他社の動向:「おはよう納豆」のヤマダフーズは、2025年10月1日注文分から10%値上げしています。ミツカンはすでに2024年6月に家庭用納豆9品を4.5〜7.6%値上げしていました。
  • 共通の背景: 当時はナフサ不足よりも、「物流2024年問題」による運賃上昇や、輸入大豆の価格高騰、電気代の負担増が主な理由でした。
  • 消費への影響: 2025年の一連の値上げにより、スーパーの特売で「1パック100円以下」で見かける機会は減少しました。

2025年の時点では「最大手が上げれば、他社も(数ヶ月のタイムラグはあるものの)続く」という構図が明確にありました。


今回の値上げで、他社の納豆も高くなるのか?

ミツカンの発表を受け、気になるのは「おかめ納豆」を展開するタカノフーズなどの他社が追随するかどうかです。

  • タカノフーズの現状: 2025年10月に値上げしたばかりであるため、即座の再値上げには慎重な姿勢を見せると推測されます。ただし、ナフサ不足による「容器不足」は業界共通の課題です。
  • 供給リスクの波:: ミツカンが「販売休止」を選択したことは、単なるコスト問題ではなく「モノ(容器)が入ってこない」深刻さを示しています。他社も在庫が底を突けば、値上げや休止を余儀なくされる可能性があります。
  • 価格の二極化: 短期的には、ミツカンが値上げした分、他社製品に需要が集中し、店頭での品薄や価格の吊り上がりが起きる「実質的な値上がり」が発生する恐れがあります。
  • 秋以降の第2波: 中東情勢が夏以降も改善しない場合、前回の改定から1年が経過する2026年10月頃に、タカノフーズを含む各社が「第2波」の値上げに踏み切る公算が高いでしょう。

昨年(2025年)しっかり上げたばかりなので、各社とも「これ以上の値上げは、1パック100円という『納豆の壁』を完全に壊してしまう」という強い危機感を持っているはずです。

5/15追記 タカノフーズもおかめ納豆シリーズの値上げを発表

タカノフーズは、来月1日に店頭に届く分から一律15%で値上げをすることを発表しました。

2025年10月に値上げをしたばかりですが、「企業努力のみで対応できる範囲を超えている」と判断したようです。


イラン情勢が落ち着いたら価格は下がるのか?

「ナフサ不足が解消されれば、また安くなるのでは?」と期待したくなりますが、現実はそう甘くありません。

  • 価格の粘着性: 一度引き上げられた食品価格が、原料安を理由に元に戻るケースは極めて稀です。これを「価格の粘着性」と呼びます。
  • 物流・人件費の固定化: ナフサが安くなったとしても、物流2024年問題に伴う運賃上昇や、人手不足解消のための賃上げ分は「固定費」として残り続けます。
  • 容器の代替コスト: 石油由来の容器から紙製やバイオマス素材への転換を検討するメーカーもありますが、これらは従来のプラスチック容器よりも製造コストが高く、結局は高値維持の要因となります。

イラン情勢が落ち着いても、価格が「2024年以前の水準」まで下がる可能性は極めて低く、現在の高値が「ニューノーマル(新常態)」になると考えるのが現実的です。

▶高い納豆と高い納豆と安い納豆は何が違う?健康のために食べるならどっちがいい?


まとめ:納豆高騰時代を乗り切るために

今回のミツカンの値上げは、単なるコスト増だけでなく「ナフサ不足による資材調達の危機」という新しいフェーズに入ったことを示唆しています。

2025年の値上げから間を置かず、最大20%もの上昇。そして主力商品の販売休止。

これは納豆という食品が、もはや「安さ」だけで勝負できる段階を通り過ぎたことを意味しているのかもしれません。

私たち消費者にできることは、比較的価格が安定しているPB(プライベートブランド)商品を活用したり、賞味期限の長い「冷凍保存」をうまく取り入れたりしながら、この「納豆高騰時代」を賢く乗り切ることではないでしょうか。

参考:安定供給に向けた納豆商品の価格改定および一部商品休売のお知らせ(ミツカン)

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