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サイゼリヤの安さは限界なのか?都内閉店と値上げしない経営の裏側

2026年4月29日

ドリアを食べる女の子

「ミラノ風ドリア300円」という驚異の低価格を維持し、ファンから絶大な支持を受けるサイゼリヤ。

しかし2026年に入り、恵比寿や新中野といった都心の主要店舗が相次いで閉店を発表し、SNS等では「ついにサイゼリヤの低価格モデルも限界なのか?」と不安視する声が広がっています。

他チェーンが軒並み値上げに踏み切る中、頑なに価格を据え置くその経営は、いまどのような局面を迎えているのでしょうか。

本記事では、都内閉店ラッシュの意外な真相から、ささやかれる「味の変化」の裏側、そして2026年最新の決算データから見える意外な収益構造までを詳しく紐解きます。


サイゼリヤの都内閉店が相次ぐ現状

2026年に入り、都心の利便性の高い店舗が相次いで営業を終了しています。ファンの間では「都内で入りにくくなるのでは」と危惧する声も上がっています。

最近の主な閉店店舗(都内)

  • イトーヨーカドー八王子店: 2026年4月13日 閉店
  • 恵比寿駅東口店: 2026年5月11日 閉店(予定)
  • 新中野店: 2026年5月25日 閉店(予定)

なぜ閉店ラッシュが起きているのか?

  • 「家賃比率15%」の壁: 売上の10〜15%を家賃の上限とする厳しい経営基準があると言われています。地価高騰により、契約更新時に家賃が大幅に跳ね上がる店舗が基準を維持できず、撤退を余儀なくされています。
  • ビルの老朽化と再開発: 都心店舗が入居するビルの建て替えや耐震補強のタイミングが重なっており、改修コストをかけて低単価営業を続けるより、移転・閉店を選択するケースが増えています。
  • 店舗網のスクラップ&ビルド: 低利益な国内事業を立て直すため、不採算な都心路面店を整理し、より効率的なショッピングセンター内などへシフトする戦略をとっています。

低価格を維持したまま都心の超一等地で営業を続けるのは、現在のインフレ下では「極めて難しい」のが実情です。


サイゼリヤの味が変わった?味が落ちたと言われるが、実際のところ

SNSなどで囁かれる「味が落ちた」という噂。その背景には、価格を維持するために行われている「サイレント・アップデート(仕様変更)」が関係していると考えられます。

  • 看板メニューの仕様変更(2026年2月): 2026年2月のメニュー改定では、ペンネ系メニューから『全粒粉』の表記が消え、通常のペンネに戻ったとみられています。こうした細かな仕様変更が、『味が変わった』という印象につながっている可能性があります。
  • 原料不足による一時休止(2026年3月): 鶏肉原料の不足により「若鶏のディアボラ風」などの主力メニューが一時販売休止に。代替原料や産地の変更が、味の微細な変化として察知されることもあります。
  • 調理のオートメーション化:サイゼリヤは店舗での包丁使用をほぼゼロにするなど、徹底的な合理化を進めています。一部のメニューでは、より「温めるだけ」「盛り付けるだけ」の工程が強化されており、それが「手作り感の欠如」や「食感の変化」として伝わることがあります。

サイゼリヤは「毎日食べられる飽きない味(オリーブオイルや塩などの調味料をシンプルに使う)」を追求しています。

一方で、他チェーンが強い調味料や油で「一口目のインパクト」を強める中、サイゼの控えめな味付けが相対的に「薄い」や「物足りない」と感じられるケースもあるようです。

『味が変わった』『味が落ちた』という口コミはあるものの、サイゼリヤが原料や調理工程を全体として大きく変更したと明言した一次情報は確認できません。


朝サイゼの現状と狙い

モーニングサービス「朝サイゼ」を本格的に拡大させているのにも注目してみます。

朝サイゼ実施店舗は2026年3月26日時点で全国19店舗。さらに2026年5月11日からは埼玉・神奈川・千葉の3店舗で新たに追加導入されることが決まっています。

メイン(パニーニやフォッカチオ)にドリンクバーが付いて税込300円〜400円台という、既存のカフェチェーンやファストフードを圧倒する価格設定が最大の特徴です。

  • 既存資産の「稼働率」を最大化:サイゼリヤの強みである「駅チカ・好立地」の店舗は、早朝はアイドルタイム(空き時間)でした。
  • 新たな客層(通勤・通学客)の取り込み:「300円でドリンクバー付き」という設定で「昼・夜の食事場所」としか見ていなかった新規客を呼び込んでいます。
  • 圧倒的コスパ」のブランド再定義:原材料高騰で他社がモーニングを500円〜700円台へ値上げする中、あえて「300円」を打ち出すことで、「やっぱりサイゼは安い」というブランドイメージを改めて消費者の脳内に植え付けるマーケティング効果があります。

「朝サイゼ」の導入店舗を見ると、上野、秋葉原、北千住、川崎、仙台など、「乗り換え需要の多い拠点駅」に集中しています。

朝の人口密度が最も高い場所で試験的に展開し、モーニング需要をどこまで取り込めるかを検証している段階とみられます。


2026年現在の最新決算(第2四半期)から見る、利益の柱

2026年4月8日に発表された第2四半期決算(連結)では、純利益が前年同期比で約20%増と大幅な増益を記録しました。

  • 海外事業(アジア)が好調: 上海・広州・北京を中心とした中国・香港事業が依然として最大の稼ぎ頭です。売上高は日本1729億円に対してアジア838億円と、日本の約5割規模まで成長しています。
  • 国内事業の劇的な回復: 長らく低迷していた国内利益が、DX化(QRコード注文・セルフレジ導入)による人件費抑制の効果で前年比約5倍に急増しました。
  • 下方修正の要因は「コメ」: 大幅増益の一方で、通期の純利益予想を下方修正。記録的な「コメ価格の高騰」が、ドリアやライスを主力とするサイゼリヤの粗利益を圧迫しています。

オリーブオイルやパスタなどの輸入食材、エネルギー価格の上昇が続いており、流石のサイゼリヤも「値上げせずにどこまで耐えられるか」の正念場に立たされています。

「世界規模の自社サプライチェーン」と「徹底した機械化・DX」によって、1円単位の利益を積み上げているのがサイゼリヤの強さの正体です。


まとめ:サイゼリヤのこれから

サイゼリヤは、今後も「値上げをしない」という創業以来の哲学を貫く姿勢を見せています。

松谷社長は「値上げをすれば無駄を減らす努力が見えなくなる」とし、さらなる機械化や自社調達網の強化でコスト増を吸収する方針です。

家賃の高い路面店は今後も減り続け、空中階やビル内、郊外店舗への集約が進むでしょう。 インフレが続く日本において、サイゼリヤは「安く食べられる店」から「効率化の極致を体験する店」へと、その存在感を変えていくことになりそうです。

ミラノ風ドリア300円という「聖域」を守り抜けるか。2026年は、コメ不足や物価高という逆風に対し、サイゼリヤの「科学的経営」が真に試される1年になりそうです。

参考:

【サイゼリヤ】2/18メニュー改定の全貌!全粒粉ペンネ廃止&ステーキ入れ替わり?「食べ納め」すべきメニューまとめ!

「値上げしない」サイゼリヤ、なぜ売上高も利益も伸びるのか? インフレでも成長を続けられる秘密

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