高校無償化の所得制限が撤廃される動きが進む中、「これで高校は完全に無料になる」と期待する声が広がっています。
しかし実際には、授業料が無償になっても別途かかる費用(いわゆる隠れ教育費)は存在します。
本記事では、
・隠れ教育費の具体例
・実際の負担感
・大阪・東京の先行事例との比較
を整理します。
高校無償化とは何が無償になるのか
現在の制度では、一定の所得以下の世帯を対象に、授業料相当額を国が支援する仕組みが導入されています。
今後、所得制限が撤廃された場合でも、
対象はあくまで「授業料」部分
です。
つまり、学校生活にかかるすべての費用がゼロになるわけではありません。
「隠れ教育費」とは何か
無償化の対象外となる主な費用には、次のようなものがあります。
① 施設費・設備費
・空調維持費
・ICT環境整備費
・実習設備費
特に私立高校では高額になる場合があります。
② 修学旅行積立金
修学旅行は国内外で費用差がありますが、
10万円〜20万円以上になるケースもあります。
積立形式で毎月支払う学校が一般的です。
③ 教材費・制服代
・教科書(補助対象外部分)
・副教材
・タブレット端末
・制服一式
入学初年度は特に負担が大きくなります。
④ 部活動費
・遠征費
・大会参加費
・ユニフォーム代
競技によっては年間数万円以上かかることもあります。
実際どのくらいかかるのか
文部科学省の調査では、高校在学中にかかる学習関連費は、
公立でも年間数十万円規模になることがあります。
授業料が無償でも、トータルで見れば一定の負担は残ります。
大阪の「完全無償化」との違い
大阪府では、独自施策として私立高校も含めた実質無償化を進めています。
しかしここでも、
・授業料はカバー
・その他費用は別途
という構造は変わりません。
「完全無償化」と言っても、実際は授業料中心の支援です。
東京の所得制限撤廃との比較
東京都も独自に支援を拡充し、所得制限を実質撤廃する形で支援を行っています。
ただし、
・国の支援
・都の上乗せ支援
が組み合わさった制度設計であり、全ての教育費が無料になるわけではありません。
自治体によって上乗せ範囲は異なります。
「無償化=負担ゼロ」ではない理由
無償化の目的は、
・進学機会の確保
・経済格差の縮小
です。
しかし教育には、
・生活費
・通学費
・部活動費
など多面的なコストが存在します。
制度の対象外部分が“隠れ教育費”として残ります。
保護者が知っておきたいこと
① 入学前に総額を確認する
学校説明会では、
・初年度費用
・年間概算
・積立計画
を必ず確認します。
② 「無償」の範囲を理解する
授業料以外の費用がどの程度かかるかを把握することが重要です。
③ 自治体制度をチェックする
自治体によっては、
・制服購入補助
・奨学給付金
・低所得世帯向け支援
が用意されている場合があります。
隠れ教育費の実態まとめ
高校無償化の所得制限が撤廃されても、
・施設費
・修学旅行費
・教材費
・部活動費
といった隠れ教育費は平等に発生します。
大阪や東京の先行事例でも、授業料支援が中心であり、その他費用は別途必要です。
「無償化」の言葉に安心しすぎず、実際の総費用を把握することが大切です。