健康

現代の子どもの運動能力は落ちている?全国体力テスト結果から比較してみる

ドッジボールをする子供たち

2026年3月5日、文部科学省は小学校6年生と中学校3年生を対象に実施した「令和7年度(2025年度)全国体力・運動能力調査」の結果を公表しました。

スマートフォンやゲーム時間の増加による体力低下が懸念される中、今回の調査では一部の種目で回復傾向が見られた一方で、依然として大きな課題も指摘されています。

特に問題視されているのが「運動する子ども」と「運動しない子ども」の差が広がる、いわゆる体力の二極化です。

この記事では、

・子どもの運動能力は本当に落ちているのか
・運動能力を左右する要因
・家庭でできる運動能力向上の方法

を整理して解説します。

参考:令和7年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果


全国体力テストとは

全国体力・運動能力調査は、文部科学省が毎年実施している調査です。

対象は

・小学6年生
・中学3年生

で、全国の学校で体力テストが行われます。

主な測定項目は次の通りです。

・握力
・上体起こし
・長座体前屈
・反復横跳び
・50メートル走
・立ち幅跳び
・ボール投げ
・20メートルシャトルラン

これらの結果から、日本の子どもの体力状況が分析されます。


子どもの運動能力は昔と比べて落ちている?

結論から言うと、「走る・跳ぶ・投げる」といった基礎能力は、30〜40年前と比較して低下傾向にあります。

文部科学省の調査では、子どもの体力は1980年代後半をピークに低下しました。

近年はやや回復の動きもありますが、ピーク時の水準にはまだ届いていません。

特に顕著なのが「ボール投げ」です。かつては空き地や公園で日常的に行われていた遊び(野球やドッジボール)が、場所の制限やルールの厳格化により減少したことが大きな要因と考えられています。

ポイント:最高記録は伸びている? :面白いことに、平均値は下がっていても、トップ層の記録は昔より伸びている場合があります。これは科学的なトレーニングや適切な栄養摂取が普及した「二極化」のポジティブな側面とも言えます。


運動能力は何で決まる?遺伝だけではない

運動能力は遺伝だけで決まるものではありません。

最新の研究では運動能力の遺伝関与は66%ほどと考えられています。

遺伝の関与は約66%: 筋肉の質(速筋・遅筋の割合)や心肺機能のベースなどは、ある程度遺伝の影響を受けます。

環境と経験が残りの34%: 特に12歳頃までの「ゴールデンエイジ」と呼ばれる期間に、いかに多様な動き(登る、振る、回る、バランスをとる等)を経験したかが、将来の運動能力を左右します。


スマホ・ゲーム時間と運動不足

近年、運動不足の原因としてよく指摘されるのが、スマートフォンやゲームの利用時間です。

室内で過ごす時間が増えると、外遊びや運動の機会が減りやすくなります。ただし問題は「ゲームそのもの」よりも、生活の中で体を動かす時間が減ることです。

バランスの取れた生活習慣を作ることが重要になります。


今からできる!子供の運動能力を高める方法

運動能力を高めるためには、特別なトレーニングだけが必要というわけではありません。

日常生活の中で体を動かす習慣を作ることが重要です。

「スポーツ万能」を目指す必要はありません。生涯にわたって健康でいるための「動ける体」を作るためのヒントです。

「遊び」を運動に変える

特別な習い事に行かなくても、鬼ごっこやアスレチック、公園でのボール遊びは最高のトレーニングです。

特定の競技に絞る前に、「多種多様な動き」を経験させることが脳と神経の発達を促します。


親も一緒に動く習慣を

調査結果では、「親が運動を推奨している家庭」や「親と一緒にスポーツをする子」ほど体力が高い傾向が出ています。

週末の散歩やバドミントンなど、日常の延長で体を動かしましょう。


睡眠と食事の質を見直す

体力は「動く」だけでなく「休む・作る」とのセットです。

成長ホルモンが分泌される22時前後の就寝と、筋肉を作るタンパク質を意識した食事は、運動能力向上の土台となります。


学校や地域環境も影響する

子どもの運動能力には、学校や地域の環境も関係しています。

例えば、

・校庭の広さ
・体育の授業時間
・地域スポーツクラブの有無

などによって、運動機会は大きく変わります。

そのため家庭だけでなく、地域全体で子どもの運動環境を整えることも重要です。


現代の子供の運動能力まとめ

2025年度の全国体力テストでは、一部の種目で回復傾向が見られたものの、子どもの運動能力には依然として課題が残っています。

特に問題となっているのが「運動する子ども」と「運動しない子ども」の差が広がる体力の二極化です。運動能力は遺伝だけではなく、幼少期の運動経験や生活習慣によって大きく変わります。

日常生活の中で体を動かす習慣を作ることが、子どもの健康や成長にとって重要と言えるでしょう。

今回のテスト結果を受けて、今後は学校だけでなく、「地域や民間クラブでのスポーツ機会の確保」がより重要視されるでしょう。

「うちの子は運動が苦手だから」と遠ざけるのではなく、まずは「体を動かすことが楽しい」と思える環境を親子で見つけてみることが、体力低下の波を乗り越える第一歩かもしれません。

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